専攻科 – 阿南工業高等専門学校

専攻科

阿南高専に専攻科が平成8年4月に新設され、はや19年の歳月が過ぎ、多くの専攻科修了生が巣立っていきました。企業に就職した者も、大学院へ進学した者もそれぞれの場で活躍しており、阿南高専専攻科に対する社会の評価も定まってきたことを確信しています。

ご承知のように、専攻科は高専5カ年の教育課程(本科)の上に更に2年の教科課程を加え、7カ年の一貫したカリキュラムによって大学工学部と同等またはそれ以上の専門基礎力を養うことを目標にしています。本校では構造設計工学と電気制御システム工学の2専攻があり、修了者には学位授与機構から認知されると学位が与えられ、大学学部卒業生と同資格になります。さらに、JABEE修了者として技術士第一次試験が免除されます。

高専本科を卒業した方々の再学習と学位取得の場として、また高専本科に在学中の学生諸君にとっても、専攻科では7カ年を通して伸び伸びと勉強することができる恵まれた点が多々あることを知っていただきたいと願っています。

1 アドミッションポリシー

1.求める人物像

専攻科は,専門分野における確固たる知識を基盤に,幅広い工学分野において,その知識を創造的かつ実践的に活用できる可能性をもつエンジニアの育成をめざします。そのために必要な,次のような素養を持つ人物を求めています。

(a) 国際人としての教養

(b) 社会・自然への責任感と倫理観

(c) 知識・技能を身に付け、問題を発見・解決する能力

(d) 幅広いコミュニケーション能力

(e) 主体性を持って多様な人々と協働して学習する能力

(f) 「ものづくり」につながる創造的思考力

 

2.入学者選抜の基本方針

2.1 推薦による選抜

・高等専門学校在学中に優秀な成績を修め,かつ,国際人としての教養があるとして学校長が推薦する者で,自分の専門分野への関心と明確な目的意識を持っている者を受け入れるために実施する。

 

2.2 学力による選抜

・数学,英語に関する基礎学力の上に,自分の専門分野の基礎的知識と学習能力を持っている者を受け入れるために実施する。

 

2.3 社会人特別選抜

・責任感と倫理観を持ち向学心に燃える社会人で,国際人としての教養があり,自分の専門分野への関心と明確な目的意識を持っている者を受け入れるために実施する。

 

2.4 AOによる選抜

・国際人としての教養と基礎学力があり,自分の専門分野への強い関心と学習意欲,表現力,コミュニケーション能力を持っている者を受け入れるために実施する。

 

3.入学者選抜方法における評価項目と求める人物像 (a) ~ (f)との関連

以下の表に示す方法により素養を評価し,求める人物を選抜する。

2 カリキュラムポリシー(教育方針)

1.カリキュラムの設計方針

ディプロマ・ポリシーに掲げる能力を育成するために,専攻科のカリキュラムは次のような方針に基づいて編成している。

(1) 国際人としての教養と社会・自然への責任感および倫理観を育成するため,共通必修科目として「英語」,「技術者倫理」,「比較文化論」,「環境政策論」等の一般科目を設ける。

(2) 数学・自然科学・情報技術を利用しながら技術課題を解決できる能力を育成するため,「線形代数論」,「解析学」,「情報処理演習」等を専門共通科目として設ける。

(3) 社会が要求している問題を見出し,かつ幅広いコミュニケーション能力を育成するため,1年次に最長3ヶ月間のインターンシップ期間を設ける。また,学協会等での発表を課すことにより,その準備プロセスも含めて論理的な記述・討論や口頭発表の能力を涵養する。

(4) 継続して専門技術や知識を学習する習慣,及び自律的かつ柔軟な課題解決能力を育成するため,「特別研究」を設ける。さらにチームで複合的な技術開発を進められる能力を育成するため,専門分野の異なる学生と共同で課題解決を行う「創造工学演習」を設ける。

(5) 「ものづくり」を重視し, 必要なデザイン能力を身に付けるため,各専攻の専門に応じた「工学実験」を設ける。

(6) 幅広い分野の先端知識を取得するため,各専攻に「工学セミナー」を設ける。

 

2.学習方法・学習内容に関する方針

(1) 人文科学,社会科学系科目群

講義を主とした学習方法により,人文科学(英語,比較文化論,技術者倫理など)や社会科学(環境政策論など)に関わる科目を編成する。これらの科目の学習を通して,技術者として必要な教養や責任感などを涵養する。

(2) 数学・自然科学・情報技術科目群

講義や演習を主とした学習方法により,数学(線形代数論,解析学など),自然科学(基礎物理学,化学工学基礎など),情報技術科学(数値計算力学など)に関わる科目を編成する。これらの科目の学習により,専門分野を学ぶ上で必要な基礎的知識を涵養する。

(3) 専門分野(基礎科目)群

講義を主とした科目(流体の力学,応用構造力学,電気回路など)と、演習を主とした科目(機械設計システム工学演習,ディジタル回路演習など)で編成する。構造設計工学専攻は主に工学科と建設システム工学科出身の学生,電気・制御システム工学専攻は主に電子工学科と制御情報工学科出身の学生であるため,各専攻の専門科目を学ぶ上で必要とする共通の知識を涵養する。

(4) 専門分野科目群

講義を主とした科目(エネルギー工学,電子回路解析,現代制御工学など),演習を主とした科目(構造設計工学演習,電気・制御システム工学演習,創造工学演習),実験を主とした科目(機械システム工学実験,電気システム工学実験など),実習を主とした科目(インターンシップ),及び特別研究で編成する。これらの科目の学習を通して,技術者が必要とする知識・技術を涵養する。

3.学修成果の評価

全ての科目はシラバスに明示した学修到達目標を達成するために,試験,小テスト,レポート等を用いて総合的に評価している。従って,上記表に示した各科目の合格により,ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果を身につけたと見なす。

3 ディプロマポリシー(養成する技術者像と学習・教育到達目標)

1.育成する技術者像

核となる分野に関する確固たる知識をベースとしてもち,その方法論・実践論を幅広い工学分野を対象として創造的に活用できる可能性をもった技術者

2.身に付けるべき学修成果

本校専攻科課程の学生は,修了までに普遍的に有用性を持つ資質・能力,並びに,専門分野に固有の知識・技術として,以下の学修成果を身に付けるものとする。

2.1 普遍的に有用性を持つ能力(両専攻共通)

(A) 国際人としての教養を身につけ,人間社会や自然環境に対して責任感及び倫理観を有する。

(B) 社会が要求している問題を見出し,数学・自然科学・情報技術を利用しながら問題解決を計画的に遂行できる。

(C) 日本語で論理的に記述・討論ができ,専門分野において国際的にコミュニケーションがとれ,表現力豊かに口頭発表ができる。

(D) 継続して専門技術や知識を学習する習慣を身につけ,複合的な技術開発を進められる能力を有する。

(E)「ものづくり」を重視し,技術的構想や創造的思考を実現させるためのデザイン能力を有する。

2.2 専門分野に固有の知識・技術

(1) 構造設計工学専攻

機械工学,土木工学等の構造設計工学分野の研究課題に取組み,成果を当該分野の学協会等で発表をすることができる。

(2) 電気・制御システム工学専攻

電気・電子工学,情報工学等の電気電子工学分野の研究課題に取組み,成果を当該分野の学協会等で発表をすることができる。

3.修了要件

専攻科課程は,上述した育成する技術者像を踏まえて必要な学修成果を身に付けた上,学則で定められた所定の要件を満たした者に修了を認定する。