3つのポリシー

阿南工業高等専門学校における三つの方針

(ディプロマポリシー・カリキュラムポリシー・アドミッションポリシー)

[ディプロマポリシー](卒業認定の方針)

1.目指す技術者像

専門分野に関する確固たる知識をベースとして持ち,その方法論・実践力を,幅広い工学分野を対象として創造的に活用できる技術者

2.身につける能力

本科課程の学生は,学習目標をふまえ,以下の普遍的な能力と各専門分野の知識・技術を修了までに身につけるものとします。

2-1.普遍的な能力

(a)社会人・職業人として必要な教養

(b)国際化対応能力

(c)工学分野のものづくりに共通して必要な基礎的知識・技術

(d)情報通信技術を利活用する能力(ICTスキル)

(e)様々な産業分野の幅広い課題について解決あるいは対応できる能力

2-2.各専門分野の知識・技術(コース別)

(1) 機械コース

機械の力学,加工,材料及び制御に関する機械工学の知識と技術,機械システムの設計と製造で必要とされる実践的な知識と技術

(2) 電気コース

電気エネルギーから電子情報通信に及ぶ電気電子工学の知識と技術,電気・電子回路の設計・製作・解析で必要とされる実践的な知識と技術

(3) 情報コース

コンピュータを利用して制御を行うための計測・制御・情報工学の知識と技術,情報通信システム及び制御システムの調査・分析・設計で必要とされる実践的な知識と技術

(4) 建設コース

環境や情報の分野を融合した建設工学の知識と技術,構造物の建設や環境保全で必要とされる実践的な知識と技術

(5) 化学コース

物理化学,無機化学,有機化学,分析化学,生物化学,化学工学の基礎的な知識と技術,材料開発,化学プラント開発,食品・化学薬品製造で必要とされる実践的な知識と技術

 

3.卒業要件

本校は,上述した能力を身につけ,学則に定めた要件を満たすことにより卒業を認定します。

[カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)]

1.本科課程の教育課程編成の基本方針

ディプロマ・ポリシーに定めた目指すべき技術者像にもとづく学習目標を達成するために,一般教養科目群,専門共通科目群,専門科目群を編成します。

 

2.本科課程の科目編成,学習内容,学習方法の方針

2.1 一般教養科目群

ものづくりに共通した基礎的知識や能力を養成するため,講義や演習を主とした学習方法により,自然科学(数学,物理,化学など)や人文科学(英語,日本語,社会など)に関わる科目を設けます。あわせて,これらの科目では普遍的な能力や分野横断的能力を養成します。

2.2 専門共通科目群

全コースに共通する専門的能力を養成するため,演習や実習を主とした学習方法により,情報に関わる科目や工学基礎(デザイン,ものづくり)に関わる科目を設けます。あわせて,これらの科目では専門分野を横断する能力を養成します。

2.3 専門科目群

コース毎の専門的能力を養成するため,講義や演習に加えて実習,実験,研究を含む学習方法により,専門分野に関する知識・技術に関わる科目を編成します。

 

3.ディプロマ・ポリシーとの対応

3.1 普遍的な能力とそれを養成する科目

学習目標のうち,普遍的な能力と,それを養成する科目の対応を下表に示します。

表1:普遍的な能力とそれを養成する科目の対応表

3.2 専門分野の知識・技術を身に付けるための科目

学習目標のうち,専門分野の知識・技術と,それを養成する科目の対応を下表に示します。

表2:専門分野の知識・技術とそれを養成する科目の対応表

 


4.学修成果の評価方針

試験,小テスト,レポート,発表,取り組み姿勢,論文などにより総合的に評価します。

[アドミッションポリシー(入学者受入方針)]

1.求める人物像

本校は,専門知識を社会で実践的に活用できるエンジニアの養成をめざします。
そのため,次の素養を持つ人物を求めています。

(a) エンジニアになるための責任感と倫理観

(b) 知識・技能を身につけ,問題を解決する能力

(c) 豊かなコミュニケーション能力

(d) 主体性を持って多様な人々と協働し,学習する能力

 

2.入学者選抜の基本方針

2.1 推薦による選抜

学校長が推薦する者で,将来エンジニアになりたいという意志が極めて強く,かつその適性を備えていると認められる者を選抜します。

2.2 学力による選抜

本校の教育を受けるための基礎学力を有し,かつ将来エンジニアになりたいという意志を持つ者を選抜します。

2.3 帰国生徒特別選抜

将来エンジニアになりたいという意志が極めて強く,かつその適性を備えていると認められる者を選抜します。

2.4 編入学

本校の教育を受けるための基礎学力を有し,将来エンジニアになりたいという意志が極めて強く,かつその適性を備えていると認められる者を選抜します。

 

3.各選抜の評価項目と求める人物像の対応
  以下の表に示す項目により素養を評価し,入学者を選抜します。

アドミッションポリシー(本科)

専攻科のポリシー

ディプロマポリシー(修了認定の方針)

1.目指す技術者像

専門分野に関する確固たる知識をベースとして持ち,その方法論・実践力を,幅広い工学分野を対象として創造的に活用できる技術者

2.身につける能力

専攻科の学生は,学習・教育到達目標(専攻科・JABEE共通)および目指す技術者像をふまえ,以下の普遍的な能力と専門的な能力を修了までに身につけるものとします。

2.1 普遍的な能力

(A) 国際人としての教養を身につけ,人間社会や自然環境に対して責任感及び倫理観をもつ。

(B) 社会が要求している問題を見出し,数学・自然科学・情報技術を利用しながら問題解決を計画的に遂行できる。

(C) 論理的に記述・討論ができ,専門分野において国際的にコミュニケーションがとれ,表現力豊かに口頭発表ができる。

(D) 幅広い専門分野の技術や知識を主体的かつ継続的に学習する習慣を身につけて,複合的な技術開発を遂行する能力をもつ。

(E) 「ものづくり」を重視して,技術的構想や創造的思考を実現させるためのエンジニアリングデザイン能力をもつ。

2.2 専門的な能力

(1) 機械システムコース

力学,材料,生産・加工,設計,熱流体,機械力学・制御などの機械工学分野の研究課題に取組み,成果を当該分野の学協会等で発表をすることができる。

(2) 電気電子情報コース

電気・電子工学,情報工学などの電気電子工学分野の研究課題に取組み,成果を当該分野の学協会等で発表をすることができる。

(3) 建設システムコース

構造・材料,水工,地盤,計画,環境,防災などの土木工学分野の研究課題に取組み,成果を当該分野の学協会などで発表することができる。

(4) 応用化学コース

物理化学,無機化学,有機化学,分析化学,生物化学,化学工学などの応用化学分野の研究課題に取組み,成果を当該分野の学協会等で発表をすることができる。

3.修了要件

本校は,上述した能力を身につけ,学則で定められた要件を満たすことにより修了を認定します。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施方針)

1.設計方針

ディプロマ・ポリシーに掲げる能力を養成するために,専攻科のカリキュラムは次のような方針に基づいて編成しています。

(1)国際人としての教養と社会・自然への責任感および倫理観を養成するため,共通必修科目として「英語コミュニケーション」,「英語講読」,「技術者倫理」,「比較文化論」,「環境政策論」等の科目を設けます。

(2) 数学・自然科学・情報技術を利用しながら技術課題を解決できる能力を養成するため,「線形代数学」,「解析学」,「情報処理演習」等の科目を設けます。

(3) 社会が要求している問題を見出し,かつ幅広いコミュニケーション能力を養成するため,1年次に長期のインターンシップ期間を設けます。また,学協会等での発表を課すことにより,その準備プロセスも含めて論理的な記述・討論や口頭発表の能力を養成します。

(4) 継続して専門技術や知識を学習する習慣,及び自律的かつ柔軟な課題解決能力を養成するため,「特別研究」を設けます。さらにチームで複合的な技術開発を進められる能力を養成するため,専門分野の異なる学生と共同で課題解決を行う「創造工学演習」を設けます。

(5) ものづくりを重視し,必要なデザイン能力を身に付けるため,各コースの専門に応じた実験科目を設けます。

(6) 幅広い分野の知識を取得し,先端技術情報を知るため,「創造設計工学演習(副専攻演習)」と「創造工学セミナー」を設けます。

2.学習方法・学習内容の方針

(1) 人文科学,社会科学系科目群

講義を主とした学習方法により,人文科学に関わる「英語コミュニケーション」,「英語講読」,「比較文化論」,「技術者倫理」等の科目や社会科学に関わる「環境政策論」等の科目を編成します。これらの科目の学習を通して,技術者として必要な教養や責任感などを養成します。

(2) 数学・自然科学・情報技術科目群

講義や演習を主とした学習方法により,「線形代数学」,「解析学」等の数学科目,「統計熱力学」,「物理学特論」等の自然科学に関わる科目,及び「シミュレーション工学」等の情報技術科学に関わる科目を編成します。これらの科目の学習により,専門分野を学ぶ上で必要な基礎的知識を養成します。

(3) 専門分野群

講義を主とした「流体の力学」,「電子デバイス工学」,「応用構造力学」,「有機合成化学」等の科目,演習を主とした「創造設計工学演習(副専攻演習)」,「創造工学演習」等の科目,実験を主とした「機械システム工学実験」,「電気電子情報工学実験」,「建設システム工学実験」及び「応用化学実験」,実習・研究を主とした「インターンシップ」及び「創造技術システム工学特別研究」で編成します。これらの科目の学習を通して,技術者として必要な知識・技術を養成します。

3.科目群と教育プログラム修了要件との関連表

ディプロマ・ポリシーに掲げた普遍的な能力 (A)~(E) と専攻科カリキュラムとの関係を、次に示します。
表2 JABEE単位取得表(全コース共通)(pdf)

4.学修成果の評価方針

全ての科目は,試験,小テスト,レポート,発表,取り組み姿勢,論文などにより総合的に評価します。

アドミッションポリシー(入学者受入方針)

1.求める人物像

専攻科は,専門分野における確固たる知識を基盤に,幅広い工学分野において,その知識を創造的かつ実践的に活用できる可能性をもつエンジニアを養成します。そのために必要な,次のような素養を持つ人物を求めます。
(a)国際人としての教養

(b)社会・自然への責任感と倫理観

(c)知識・技能を身に付け、問題を発見・解決する能力

(d)幅広いコミュニケーション能力

(e)主体性を持って多様な人々と協働して学習する能力

(f)「ものづくり」につながる創造的思考力

2.入学者選抜の基本方針

2.1 推薦による選抜

高等専門学校在学中に優秀な成績を修め,かつ,国際人としての教養があるとして学校長が推薦する者で,自身の専門分野への関心と明確な目的意識を持つ者を選抜します。

2.2 学力による選抜

数学,英語に関する基礎学力の上に,自身の専門分野の基礎的知識と学習能力を持つ者を選抜します。

2.3 AOによる選抜

国際人としての教養と基礎学力があり,自身の専門分野への強い関心と学習意欲,表現力,コミュニケーション能力を持つ者を選抜します。

3.各選抜方法の評価項目と求める人物像との対応

以下の表に示す項目により素養を評価し,入学者を選抜します。