Liberal Arts and Sciences

  • コース概要
  • 在校生・卒業生の声
  • 授業風景・実験設備

責任感・倫理観豊かな国際人・社会人となるための教養
コースの基礎内容を学習する理系科目を重視

学習内容

高専においても一般教養の授業があります。特に、低学年においては一般教養の授業科目が多くあり、数学や理科、英語だけでなく、国語や社会も学習します。また、体育を通じて、基礎体力や自己分析力を磨きます。
一般教養は各コース共通で、専門科目と並行して学習し、責任感・倫理観豊かな国際人・社会人となるために必要な教養を身につけます。また、コースの基礎内容を学習する理系科目の授業時間数を多く設定しています。とりわけ実践的な学習を重視し、最終的な学習レベルは大学の工学部課程に匹敵します。
ホームルームや寮生活を通して、コミュニケーション能力や協調性、リーダーシップを鍛えることで、社会で活かされる基礎的な能力を身につけています。

カリキュラム

  • 数学

    基礎を重点的に

    数学は工学を学ぶ上で基礎となる科目です.また、定性的・定量的な議論をする上で重要な科目で、論理的思考力を身につけることができます。工学で重要となる微分積分は、2年生から勉強し始め、3年生では大学初等数学である微分方程式を学びます。講義では板書で丁寧に説明し、演習の時間も設けて、学んだ内容をいち早く実践的に身につけられるように心がけています。

    主要科目

    ・基礎数学1・2
    ・数学A・B
    ・微分積分
    ・線形代数

  • 理科

    一般教養から専門に繋ぐ

    理科は自然現象を学び、物理・化学・生物・地学の分野を学習します。工学分野は自然現象の原理・原則を用いて発展してきました。特に、物理と化学の内容は、各コースの専門科目に直結します。授業では自然現象の奥深さをに触れ、原理・原則を理解し、専門につなげています。講義だけでなく、演習や実験も取り入れて、自然科学に対する直観力を養っています。

    主要科目

    ・理科総合
    ・物理1・2・3
    ・化学1・2
    ・物理学基礎

  • 外国語

    実践的な語学力を養う

    外国語を学ぶことで、エンジニアとして国際社会で活躍するために必要な言語能力や表現力を身につけます。低学年では、英語の基礎を学び、リーディング・ライティング・リスニングの能力を養います。高学年では、実際に工学分野の英語論文を読み、実践的な能力を養います。また、TOIEC対策の講義や第2外国語の講義も行っています。

    主要科目

    ・英語1・2・3
    ・英語A・B・C
    ・英会話
    ・ドイツ語
    ・ロシア語

  • 国語

    エンジニアに必要な国語力を培う

    国語を通じて社会で必要とされるコミュニケーション能力や論理思考能力を養います。また、文章表現能力と読解能力もエンジニアにとって必要不可な能力であり、専門科目でも活かされる能力です。さまざまな論理的文章や文学作品等を精読することでエンジニアとしての発想力と感性とを育みます。自己分析力や履歴書の書き方を学び、就職活動に活かされる能力を身につけます。

    主要科目

    ・日本語総合
    ・日本語特論
    ・日本語コミュニケーション
    ・日本語日本文化論1・2

  • 社会

    社会人として必要な教養

    エンジニアである前に、皆さんは社会人として他の人々と協力しながら良い社会を作ってゆく必要があります。そのために歴史や地理、政治、経済、法律、哲学などの人文社会系科目の学習を通じて幅広い知識を習得しなければなりません。また、実際の社会で起こるさまざまな具体的課題に適切に対応できる能力も求められます。社会ではそのような素養のある技術者の育成をめざします。

    主要科目

    ・倫理
    ・歴史総合
    ・公共
    ・地理総合
    ・哲学
    ・法学

  • 体育

    論理的思考を下にした運動学

    運動やスポーツを通して体力を向上させるだけでなく、協調性やリーダーシップを養います。また、不足している運動能力を客観的に分析でき、それに応じたトレーニングを自ら考えられる能力を身につけ、運動能力だけでなく、論理的思考力の向上も目指します。

    主要科目

    ・体育

一般教養の特徴

国際人・社会人としての教養、専門性を支える理系科目、きめ細やかな生活指導

  1. 低学年では専門科目の基礎となる数学、英語、物理、化学などに多くの時間を割り当て、アクティブラーニングを積極的に行っています。
  2. 高学年では日本語の表現、哲学、法学などの授業を行い、社会人として、技術者として必要な基礎教養が得られるよう配慮しています。また、コースの基礎内容を学習する理系科目の授業時間数を多く設定しているのが特長です。
  3. 一般教養を担当する教員は、学生の学業だけではなく生活指導全般に深く関わります。専門コースの違いを超えてほぼ全学生に接する機会に恵まれるため、学生との距離が近く、コースの違いや全体のバランスに配慮しつつ、きめ細やかな指導を行います。
  4. 低学年クラスの担任は、一般教養の教員が担当し、2学年進級時のコース選択を丁寧に指導します。

資格認定

英語分野

・TOEIC Program IPテスト
・英検(実用英語技能検定)

研究紹介

日本文学・万葉集

錦織 浩文教授 博士(文学)

『万葉集』の教養講座を担当できます。『万葉集』は現存する日本最古の歌集。今からおよそ千二百年前の成立。総歌数約四千五百首。日本各地で詠まれた幅広い層の歌を集めています。『万葉集』は令和の私たちに生き方のヒントを与えてくれます。

中国思想史・日本思想史

藤居 岳人教授 博士(文学)

中国思想史や日本思想史を研究しています。現在は江戸時代の大坂に存した漢学塾の儒学者の研究をしています。中国の古典でよく取り上げられる『論語』にはいろいろな注釈があり、注釈者によって解釈の相違があります。中国のみならず日本の儒学者の注釈にもおもしろいものがあり、その相違について研究しています。

数学教育・技術者教育・労働安全衛生

田上 隆徳教授 博士(工学)

実践的技術者を育成する高専では学生の数学力の向上は最も重要な教育課題です。1)数学教員の授業改善、2)学習への動機付け、3)数学力の客観的な外部評価などに着目し、学生の数学力を向上させる方法を考察します。

最適化サーフボードの開発

新井 修教授 修士(教育学)

サーフボードの先端にIMUを搭載し、運動履歴を分析しています。現在のプロトタイプは、かかと側のテール形状に丸みをつけ、つま先側のテール形状は直線的になっています。またフィンセッティングは、かかと側に2本、つま先側が1本となっており、左右非対称です。ターン性能に優れたサーフボード制作にチャレンジしています。

非平衡統計力学・物理教育

園田 昭彦講師 博士(理学)

非平衡定常熱力学に興味をもち、研究をしています。非平衡定常熱力学では、エントロピー生成が重要な役割を担っています。近年では、パラメータ空間上の幾何学位相と関係があり、研究を進めています。物理教育にも興味があり、最近では体験イベントや公開講座などを積極的に実施しています。

英語、ライティング、国際交流

クリストファー プロワント講師 修士(英語学)

グローバルマインドを持つエンジニアとして活躍できる学生を育てるために、外国文化と英語を積極的に促進しています。英語で講義をし、英会話クラブなどの活動を中心に、留学生や教職員も交えた活動をしています。

教員紹介

氏 名職 名学 位校 務専門分野リンク
錦織 浩文 教授 博士(文学) 学生主事、国語科主任 日本文学 research map
藤居 岳人 教授 博士(文学) 一般教養主任、1−3・1−4副担任 中国思想史、日本思想史 research map
田上 隆徳 教授 博士(工学) 寮務主事、数学科主任 数学教育、教育工学 research map
藤井 浩美 教授 修士(教育学) 広報情報室長、1−1・1−2副担任、英語科主任 英語教育 research map
新井 修 教授 修士(教育学) 副学生主事、2E副担任、体育科主任 スポーツ運動学、トレーニング学 research map
勝藤 和子 嘱託教授 教育学修士、MA(第2言語習得研究) 第2言語習得研究、英語教育 research map
櫛田 雅弘 嘱託教授 博士(工学) 応用数学 research map
今田 浩之 准教授 法学修士 2E担任、社会科主任 憲法学 research map
谷中 俊裕 准教授 修士(言語学) 1−3担任 英語、ロシア語の統語論、語彙論、言語間の接触 research map
松尾 俊寛 准教授 博士(理学) 1−1担任、図書館長 素粒子論 research map
山田 耕太郎 准教授 博士(理学) 2M担任、学生主事補、IR戦略室長 ソフトマター物理、深層学習 research map
中島 一 准教授 修士(体育学) 1−2担任 バイオメカニクス、トレーニング、コーチング research map
山田 洋平 准教授 博士(工学) 学生相談室長、2M副担任、理科主任 分析化学、ナノ材料 research map
西森 康人 講師 博士(理学) 2I担任、教務主事補 確率論 research map
園田 昭彦 講師 博士(理学) 2Z担任、教務主事補、キャリア支援室副室長(進学支援担当) 素粒子論 research map
クリストファー プロワント 講師 修士(英語学) 2C・2Z副担任、グローバル推進室副室長(グローバル戦略推進・人材育成担当) クリエイティブライティング research map
浮田 卓也 講師 博士(理学) 1−4担任 位相幾何学 research map
福井 龍太 講師 修士(言語学) 2C担任、寮務主事補、地域連携・テクノセンター教育研究部門(副)、リサーチユニット長補、グローバル推進室副室長(グローバル連携プログラム担当) 言語学 research map
藤原 みずき 助教 修士(文学) 2I副担任、学生主事補 日本文学、日本文化 research map

在校生・卒業生からのメッセージ

在校­­生

県外出身者にもおすすめできます

田中 たみ(創造技術工学科・化学コース)

私は奈良県出身ですが、高専では学生寮が完備されているので、県外からでも通うことができます。15歳で親元を離れて過ごすことを不安に感じると思いますが、寮生活では県内県外問わず、色々な友達と楽しく過ごすことができます。だからこそ、県外の中学生も阿南高専に入学することをおすすめできます!勉強面では専門性が高く、数学では将来的に必要とされる計算をピックアップし、重点的に授業が行われます。どのコースに進んでも必要な基礎をしっかりと学べます。物理では身の回りのどのようなところに応用できるかについて学べます。電車が停車したときに体が前に動いた瞬間、「これが慣性力か!」と身の回りの現象と関連づけられるようになりました。寮では先生や先輩との関わりが通学生に比べて多いため、人間関係が縦にも横にも広がって良い交流の場となっています。貴重な高校生活を阿南高専で過ごしてみませんか?

数学で自分の視野を広げるきっかけに

久田 宙来(創造技術工学科・情報コース)

日々、様々な社会問題を耳にするこの時代で、私たち学生が学ぶべきことは何でしょうか?それは、数学です。阿南高専では1年に2科目、3年生までに6科目の数学を学び、たくさんの数学的知識を身につけることが出来ます。これらで得た知識は一般教養の物理や化学はもちろん、2年生からの各コースの専門授業などでも必ず活きてきます。また、数学を学ぶことは、倫理的思考力や発想力、状況判断力など、将来の自分に役立つ能力を培うことができるという素晴らしいメリットがあります。それは、きっとこれからの自分の視野を広げる良いきっかけにも繋がるでしょう。そんなきっかけを阿南高専で学ぶ数学で見つけてみてはいかがでしょうか。

グローバルに活躍できる技術者を目指して

辻岡 健人(創造技術工学科・化学コース)

僕はベトナムのホーチミン市出身で、入学時期がちょうどコロナ禍だったにも関わらず、高専や寮の先生方の手厚いサポートのおかげで、16年間住んでいたベトナムを離れて一人で帰国し、特に難なく学業に打ち込むことができました。寮では県内や県外からの学生だけではなく他国からの留学生もおり、様々な人と関わることで新しい価値観や考え方などを知ることもできます。あと、友達と過ごす寮生活はシンプルに楽しいです!さて、ここで質問です。令和の時代において技術者に必要な能力は何でしょうか?物理や数学などの理工系の基礎能力はもちろんのこと、英語も必要不可欠です。グローバル化が進む現代社会では、コロナ禍によるテレワークなどによって、国境という概念が消えつつあります。そんな社会において、技術者として活躍していくには、海外の人々とのコミュニケーションツールである英語力が必要となるのです。ここ阿南高専では、1〜3年生の間で主に6科目の数学、2科目の物理、3科目の日本語、そして8科目の英語を学びます。一般教養で学ぶ数学や物理では、基礎知識のみならず、理論的思考力や情報分析能力、論理的推察力などを養い、各専門分野で活かすことができます。日本語の授業では文章力、表現力を鍛え上げ、自分の思考を的確に文章化し他者に確実に伝える能力を培えます。そして、英語科目では、基礎的な英語の語彙文法だけではなく、ネイティブスピーカーによる実用的な英語や各分野で必要となる専門的な英語を学ぶことができます。皆さん、世界を舞台に活躍する技術者としての第一歩をここ阿南高専で踏み出してみませんか?

卒業生

高専で学んだ教養を大学で活かす

田中 康四郎(大阪大学工学部応用自然科学科)

大学で学ぶ多くの場面で一般教養で学習したことが役に立ったと感じています。数学は私の専攻である化学で使用するのはもちろんのこと、日常生活でも役に立っています。例えば勝負事において、多くの方が経験則に基づいてこちらの手法の方がいいだろうと感じているかもしれませんが、ここに理論が加わるとものすごく勝率が上がると私は感じています。つまり、確率や期待値を計算できることで数学的根拠により物事を合理的に考察することができます。また国語(日本語総合)の授業では、言葉の使い方や席次(上座や下座)、プレゼンテーション能力などを学習しています。世の中の高校生が国語の受験勉強に費やしている一方で、高専では今すぐ社会で使える知識を授業で学んでいます。最後に、良好な人間関係を築いていく上でも一般教養は役に立つ場合があると考えています。現在の大学生活でも一般教養で習った知識が会話に出てくることもありますし、頭の中で確率や期待値を計算したりする方もいます。その際に自分自身が相手の発言している内容が理解できなければ会話が続かなくなったりすることもあります。どのような知識も決して無駄になることはありません、予想もしない場面で役に立つこともあります。皆さんも阿南高専で多くのことを勉強し、知識の引き出しを増やしていきましょう。

授業風景の紹介

一般教養では以下のような授業を実施しています。


ものづくり工学

学習内容

ものづくり工学では、機械・電気・情報・建設・化学の5つのコースの内容を学習できます。各コースの説明や実験・実習の体験を通して、自分にとって興味のあるコースを見つけることができます。また、各コースの教員や学生と話す機会が増えて、コースの学習内容や特徴、進路状況など直接知ることができます。

基礎数学1

学習内容

数学は工業高専において根幹となる科目です。基礎数学1では、方程式と不等式、2次関数、図形と計量及び三角関数について基礎的な知識と技能を習得します。また、それらを的確に活用する能力を養い、数学的な見方や考え方を身につけることを目指します。

英語コミュニケーション基礎

学習内容

授業自体を英語で行います。後期のネイディブ教師によるオールイングリッシュの授業に備え、前期はリスニング力を強化していきます。ディクテーション、シャドーイングなどのボトムアップリスニングで基礎を固め、授業を英語で行うことによりトップダウンリスニングに慣れていきます。教科書で扱う新しい英語表現を身につけるとともに、中学校までの既習英語を積極的に使う機会を設け、教師やクラスメイトととの積極的なやり取りも促して行きます。

物理2

学習内容

物理2では、演示実験から現象を学び、仮定や条件を明らかにし、数式を用いて法則や公式を丁寧に導出しています。授業中には演習問題を解き、公式の使い方などを学習します。実験では、理論・実験操作・測定・データ処理・考察を行い、専門科目につながるように物理的直観力を養っています。

化学2

学習内容

化学2では、酸化還元反応、電池、電気分解、熱化学方程式,化学平衡、有機化合物を学習します。座学を中心に演習問題をグループ内で取り組み、問題を丁寧に解説しています。反応速度の実験を実施し、理論と実験の理解を深めています。

英作文

学習内容

英作文では、TOEIC L&R の実践形式の問題演習を通して語彙力・文法力・聴解力・読解力を総合的に向上させ、TOEICスコア400点の達成を目指します。また、単語・熟語集を用いて、単語や熟語を暗記し、適切に運用できる能力を身につけます。