化学コース

化学コース
50年先まで活躍できる化学系技術者・研究者を育成します。

現代の科学技術の多くが化学に支えられています。物質を原子・分子レベルで究明するのが化学です。化学を応用することで有用な新物質をつくることが求められています。化学コースでは、それに必要な化学の知識を習得するため、実験、実習、演習を行います。無機物から有機物におよぶ広範囲な物質の製法や分析法を学び、材料開発、化学プラントの開発、化学薬品製造、品質管理などの分野で活躍できる技術者の養成を目指しています。
化学コースシラバス

化学コースのここに注目!

化学コースの柱となる5分野

《有機化学》有機化合物とは、炭素原子を含む化合物です。有機化学は、有機化合物の合成法、反応性、構造と性質について研究する分野であり、有機電子材料やプラスチックス等の高分子材料についても学びます。

《無機化学》無機化合物とは、炭素以外の元素で構成される化合物で、地球上にある物質の大部分は無機化合物です。無機化学は、無機化合物の構造と性質について研究する分野であり、金属、ガラス、セラミックス、鉱物などの物質について学びます。

《物理化学》物理化学は、原子、分子、エネルギーなどの基本概念を理解するために化学熱力学や量子力学的な視点で化学が対象とする物質を研究する分野であり、化学反応の機構、物質の構造や性質を決定する原因を学びます。

《化学工学》化学工学は、化学反応を利用した生産にかかわる様々な技術や工程で用いられる物質、反応を研究する分野であり、単位操作、触媒からプラント設計まで工業において必要とされる幅広い技術を学びます。

《環境工学》環境工学は、地球環境における化学物質の分解、生成、反応、移動について研究する分野であり、自然界における化学物質が地球環境に及ぼす様々な影響を学びます。

化学コースの行事とイベント

化学コース新入生歓迎会(上級生主催)、白衣着用式(2年)

工場見学+修学旅行(3,4年)
 

学会発表(5年)
 

化学コース優秀学生賞(全学年)
 

化学コースで取得可能な資格

• 甲種危険物取扱者
• eco検定(環境社会検定)
• 衛生管理者(第一種、第二種)
• 作業環境測定士
• 1級ビオトープ管理士
など(卒業後の実務経験が必要なものを含む)

化学コースのキーワード
物理化学、無機化学、有機化学、生物化学、化学工学、分析化学、新材料開発、品質管理 

 

在校生・卒業生からのメッセージ

在校生
徳永 夢叶(羽ノ浦中学校出身)
私が高専に入った当初の理由は「受験せずに推薦で入れたらラッキー」という軽い気持ちでした。化学の推薦で入ったのですが、1年生の時はどの科目よりも化学の点数が低かったです。それでも私は中学の時に出した希望の化学コースに進み、2年生からは化学を専攻しました。高専で学ぶ化学は、中学生の時の理科などのイメージとは違い、専門的な難しい構造式や分子レベルで物事を考えるものでした。2年生と3年生の時に1度辞めたいと考えたこともありました。でもその時に多くの先生方が相談に乗ってくださいました。高専のいいところは生徒の数に対して先生の数が多いことです。大学では教員が一人一人の生徒に真摯に向き合うことは難しいと思います。ですが高専では、進路相談などにもとても親身になってお話を聞いてくださいました。実際私は現在の4年生まで化学を学び、多くの知識を身につけました。今となっては高専を辞めなくてよかったと思います。2年生の時は基礎を学ぶので覚えることが多くて大変でしたが3年生、4年生になるにつれて2年生で学んだ知識を活かして解く応用問題なども増えました。そのときに、2年生で習った内容をより深く学ぶことができ、2年生の知識が4年生で繋がった時はとても感動しました。また私は有機化学が苦手だったのですが、今では有機化学の合成を学ぶことが楽しいです。エーテルやエポキシド、アルコールの合成など学んだ知識を全部活かしてある生成物を作ると言ったことができる点が化学の面白いところだと感じます。化学には無限の可能性があると私は思っています。世の中にはまだまだ知られていない反応式がたくさんあると言われています。自分が考えた反応が世の中の役に立つかもしれません。化学で無限の可能性を広げてみませんか?きっとあなたの将来の選択肢も広がるはずです。
漆原 拓斗(藍住中学校出身)
中学3年生の冬、私は両親の言葉がきっかけで急遽、阿南高専を受験することを決めました。入学当初は同じ中学の子が誰も居なかったこともあり、不安で仕方なかったことを覚えています。2年生に上がるに伴って、高専生活における最も大きな決定、コース選択があります。熟考の末、私は化学コースに行くことを決断しました。私は2年生の頃からさまざまなことに取り組み、挑戦してきました。これらを通し、自分自身、人としてとても成長出来たと実感しています。また、高専生活でのエピソード作りは就職、進学にとても大切です。是非皆さんも低学年の内からいろいろなことに挑戦して下さい。今思い返せば、自分の経験の多くは化学の教員方に与えて頂いたものです。改めて、化学に来ていなければ、豊富な経験を積むことは出来なかったと感じています。現在、私は皆とは少し違う進路に向かって努力しています。初め、私は進路を伝えるのに戸惑いを感じていましたが、蓋を開けると、化学の教員の方々は親身に相談を受けて下さいました。化学では1人1人の進路に対して教員方が手厚くサポートして下さいます。この点が化学コースの強みだと私は考えます。コース選択では多くの人が後悔するとよく耳にします。ですが、自分は化学コースに入ったことを一度も後悔したことはありません。皆さんも周りに流されるのではなく、自分を持ち、後悔のない選択をして下さい。その選択の先にはきっと明るい未来が待っています!
卒業生
谷 綾乃(九州大学工学部物質科学工学科応用化学コース)
「白衣を着てみたい。」そんな単純すぎる理由で私は化学コースを選びました。化学コースでは、たくさんの面白い実験を通して化学の知識や実験技術、実験ノートやレポートの書き方などを先生方の手厚い指導の下、段階を踏んでゆっくりと着実に身に付けることができます。「The・化学!」のような溶液の色変化が綺麗な実験や、染料を合成していろんな種類の布を染色する実験などは特に楽しく、今でも鮮明に覚えています。これらの経験は日々の座学へのモチベーションにも繋がります。高専入学当初は、高専から大学に編入できることを知らなかった私が、化学にハマり、もっとたくさん化学を学ぶため大学編入したワケはここにあります。「百聞は一見に如かず」、皆さんも化学の世界に足を踏み入れてみませんか?
近藤 渉(日東電工株式会社)
私は自分の手でものづくりをしたいという気持ちから、化学メーカーの研究開発職に就職しました。就職して感じた高専に入って良かったと考えることは2つあります。1つ目は早くから実践的な実験を行えることです。阿南高専では3年間、週に1回の実験と、最終学年で自分の興味があることを中心に研究することができます。実験器具や装置を使えるようになるだけでなく、考察や次の実験計画などを主体的に取り組めるため、思考力や計画性を養うことができます。これにより、就職後も様々な事に対し、「なぜ?」を意識し、新たな視点を持てて、開発業務に取り組めています。また、目標から逆算して計画を立てるなど、円滑に仕事を進めることが出来ています。このことから、実践的な実験を早くから出来ることは高専の良さであると考えています。2つ目は幅広く化学知識を学べることです。2年生からコースを専攻することができ、4年間、有機,無機など様々な化学分野を幅広く学ぶことが出来ます。就職後の開発分野は卒業研究時の専攻と違うことや様々な化学の知識が必要だったため、始めは大丈夫か不安でしたが、高専時代に培ってきた幅広い基礎知識の土台を活かして、現在では多角的な視点を持ち、自身を持って業務に取り組めています。このことから、幅広く化学を学べることは高専の良さであると考えます。以上のように、高専では早くから自分が学びたい分野を他に比べ先行して学ぶことができます。「早くから実験がしたい!」「化学に絞って知識を深めたい!」といった方は阿南高専の化学コースで学ぶことをオススメします。

教職員

教員
教授
中村 厚信
専門分野:電子物性
教授
小西 智也
専門分野:アップコンバージョン発光蛍光体、化合物半導体量子ドット、希土類フリー蛍光発光ガラス
教授
大田 直友
専門分野:海洋生態学(貝・カニ)、生態系保全

准教授
大谷  卓
専門分野:有機化学
准教授
鄭 涛
専門分野:無機材料化学、化学工学
准教授
上田 康平
専門分野:機能物性化学 熱測定

講師
杉山 雄樹
専門分野:有機合成化学、高分子合成化学、有機金属化学
助教
江連 涼友
専門分野:化学工学、分離工学
嘱託教授
吉田 岳人
専門分野:半導体素子工学、レーザープロセッシング、ナノ材料創製
技術職員
技術職員
東 和之
技術職員
高瀬 厚志