松尾俊寛准教授と園田昭彦講師による共著研究論文が国際誌Physical Review Eに掲載されました

 創造技術工学科 松尾俊寛准教授と園田昭彦講師による共著研究論文が国際誌Physical Review Eに掲載されました。
 非平衡統計力学の分野において近年活発に研究が行われている「ゆらぐ系の熱力学」では、エントロピー生成と呼ばれる量が重要な役割を果たしています。これまでの研究では、変化に無限の時間がかかる準静的過程のエントロピー生成を評価する断熱近似法が知られていましたが、本研究では断熱近似を改良しエントロピー生成の高次補正を計算する系統的方法について理論的な研究を行いました。本研究の成果によって、より非平衡度の高い過程におけるエントロピー生成量を評価できる可能性がひらけてきました。ゆらぐ系の熱力学はゆらぎの大きなメソスケールの現象について普遍的な法則を与える枠組みであり、工学、化学、生物などの様々な分野での応用が期待されます。

Analysis of entropy production in finitely slow processes between nonequilibrium steady states
Toshihiro Matsuo and Akihiko Sonoda
Phys. Rev. E 106, 064119 – Published 15 December 2022
DOI:https://doi.org/10.1103/PhysRevE.106.064119

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